ビタミンEの欠乏・不足

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欠乏症

ビタミンEが不足しておこる欠乏症には、貧血をはじめ動脈硬化やがん、冷え性、肩こり、肌のしみなどがあります。

貧血(溶血性貧血)

ビタミンEが不足すると、体内にある活性酸素が増えて、細胞を保護する細胞膜に含まれる、不飽和脂肪酸という物質が酸化されます。

不飽和脂肪酸が酸化されると、過酸化脂質という物質に変質して、身体に悪影響がでてきます。細胞膜が弱くなり、膜そのものが壊れることもあります。

細胞膜の中でも、特に赤血球の膜はデリケートで、壊れやすい細胞膜です。

赤血球の膜が壊れてしまうと、赤血球の役割である酸素と二酸化炭素を、運ぶことができなくなります。

具体的には、通常、約4カ月ある赤血球の寿命が極端に短くなって、2週間以下で寿命が尽きてしまいます。

このため、体内に新鮮な酸素が十分供給されず、貧血になってしまうのです。

血行障害

ビタミンEは、体内のいたるところに含まれていて、細胞が酸化されるのを防いでいます。

もし、ビタミンEが不足すると、酸化された細胞膜が多くなり、細胞の老化が進み、細胞の寿命が縮むこともあります。

血管でも同じことがおこり、血管の内壁に酸化されたコレステロールが沈着して、血行障害がおこり動脈硬化の原因になります。

動脈硬化になると、血管全体や心臓の負担が大きくなり、その結果、高血圧や心臓病、脳卒中などの症状がでてきます。

また、細胞が酸化されると、細胞が傷つくだけでなく、異常な細胞が生まれて、がんにつながることも、知られています。

その他、女性に多い冷え性や肩こりなどは、血行障害が大きな原因になっている場合が多いのです。

肌のしみ

皮膚の細胞に含まれるリポフスチンという色素が酸化されると、それにたんぱく質が結びついて、肌のしみやくすみになります。
(ある年令を過ぎると、肌にできる老人班に多い)

ビタミンEは、この色素の酸化を防ぐので、肌にできるしみやくすみを、抑えることができます。






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