ビタミンB12の働き・作用

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主な働き・作用

ビタミンB12は、ビタミンB群の仲間で、造血、神経機能、睡眠などに関して、次のような働きがあります。

貧血を予防する

ビタミンB12は、正常な赤血球を作りだす働きがあり、貧血になるのを予防しています。

通常、貧血というと鉄分の不足を連想しますが、その他にも赤血球を作りだす過程が、上手くいかないときに起る貧血があります。

この貧血は「悪性貧血」と呼ばれ、鉄分の不足による貧血とは区別されています。

体内で赤血球が作られるときは、まず、鉄分を原料にして、赤血球の合成が始まります。その後、ビタミンB12と葉酸の、2つの栄養素の働きによって、正常な赤血球に成長します。

もし、このときビタミンB12と葉酸が不足していると、一人前の赤血球ができずに、普通より巨大な、働きの悪い赤血球ができてしまいます。
(悪性貧血は正式には、「巨赤芽球性貧血」といいます。)

このため、体内に十分な酸素が供給されなくなり、疲れやすい、すぐ息切れがする、めまいなどの貧血の症状がでてきます。

睡眠のリズムを整える

規則正しい生活をしていれば、夜ある時間になると眠くなり、朝、明るくなると自然に目が覚めるという、一定のリズムを毎日繰り返します。

この一定のリズムは、脳から分泌されるメラトニンと呼ばれるホルモンで、コントロールされています。

周りが暗くなると、メラトニンが多く分泌され眠くなり、逆に明るくなるとメラトニンの分泌が少なくなり、目が覚めてきます。

ビタミンB12は、このメラトニンの分泌を調整する働きがあり、睡眠のリズムをうまく調整しています。

神経の伝達を円滑にする

脳の指令を、身体の末端まで伝えるには、ビタミンB12をはじめ多くのビタミンの働きが、必要になっています。

特にビタミンB12は、神経細胞の中にある「核酸」の合成を、助ける働きがあります。この核酸とは、DNA=遺伝子の主な成分になっている物質で、細胞を再生するときに重要な働きをしています。

つまり、正常な神経細胞を維持して、脳からの指令を、手足などの末梢神経まで正確に伝えるには、ビタミンB12はなくてはならない栄養素なのです。

なお、神経系が原因の腰痛の治療、不眠症や時差ボケの解消には、ビタミンB12の大量摂取が有効とされています。
(ビタミンB12を大量に摂取しても、過剰症などの健康障害はありません。)






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ビタミンB12の1日の摂取量  ・ビタミンB12の欠乏・不足