ビオチンの欠乏・不足

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欠乏症

ビオチン(ビタミンB群)の摂取不足による欠乏症には、倦怠感や疲労感と皮膚や毛髪のトラブルがあります。

倦怠感、疲労感、食欲不振など

これらの欠乏症は、ビオチンが不足することによって、体の活動エネルギーが足りなくなって起こるものです。

そもそも、体のエネルギーの多くは主食である、ごはんやパン類、めん類などの糖質(炭水化物)を、消化吸収して作られます。

ビオチンが不足すると、これらの糖質の吸収が上手くいかず、体がエネルギー不足になります。

わかりやすくいうと、自動車にガソリンが無いのと同じ状態になり、少し体を動かしただけで、すぐに疲労感や倦怠感を感じることになります。
この状態が続くと無気力が進行して、うつ症状がでてくることもあります。

その他、消化器官に異常がでてきて、吐き気や食欲不振などが起きるケースもあります。 参考→ビオチンの働き・作用

皮膚や毛髪のトラブル

ビオチンは、皮膚の炎症を予防することから発見されたビタミンで、皮膚や毛髪の健康にも関わっています。

ビオチンが不足してくると、抜け毛が多くなったり白髪化(色素が脱色して髪が白くなる)の症状が、現われてきます。

また、皮膚が不健康な状態になり湿疹が多くなり、皮膚炎や結膜炎(眼の病気)になる場合もあります。

現在、ビオチンの働きは全て明らかになっていませんが、皮膚の炎症を抑える働きを利用して、水虫や脂漏性皮膚炎や、アトピー性皮膚炎などの治療に、利用されています。

欠乏、不足を防ぐには

ビオチンを含む食品は数多いので、普通の食生活をしていれば、不足することはあまりありません。

しかし、次のケースではビオチンが不足して、欠乏症が現われてくることがあります。

1)抗生物質の使用

病気治療のために長期間、抗生物質を使用している場合は、ビオチンを吸収するための腸内細菌が、十分でない場合があります。

抗生物質以外でも、フェノバルビタール(睡眠薬)を使用している場合も、同じように欠乏症が現われることがあります。

2)生卵の大量摂取

生卵を一度に大量に食べたときも、ビオチンが不足します。

生卵の場合は、卵の白身に含まれるアビジンというたんぱく質が、胃の中でビオチンと結合します。結合したまま腸に運ばれると、腸でビオチンが吸収されません。

1日に2〜3個ぐらいの、生卵を食べるのは問題ありませんが、5〜6個以上食べるのは避けましょう。
(もっとも、1日に生卵を何個も食べることは、ほとんど無いと思いますが・・・。)

ただ、卵を加熱調理して、卵焼きや目玉焼きにすれば、腸でのビオチンの吸収はスムーズに行われるので、欠乏症になることはありません。






◇ビオチン コンテンツ一覧
ビオチンの働き・作用  ・ビオチンが多い食品・食材
ビオチンの1日の摂取量  ・ビオチンの欠乏・不足