脂質|栄養素

ビタミン|栄養素116栄養素の基礎知識一覧 > 脂質

脂質とは

脂質とは、肉類や魚介類、穀類、バター、食用油などに多く含まれる栄養素で、一般には「脂」または「油」と呼んでいるものです。

脂質の働きには、大きく分けて「エネルギー源」と「体の材料」の2つがあります。

エネルギー源

脂質は糖質(炭水化物)と同じく、体のエネルギー源として利用されています。糖質の場合は、体内ですぐにエネルギー源に変えることができますが、脂質の場合は、一度体内に脂肪として貯えられ、糖質のエネルギーが不足したときに利用されます。

1gあたりの糖質のエネルギーは約4kcalですが、脂質は1gあたり約9kcalで、糖質の2倍以上です。

脂質は、エネルギーに変わるまで時間がかかりますが、そのかわりエネルギー量が多いのが特徴です。

体の材料

脂質は、たんぱく質と同じように、体の材料としても利用され、特にホルモンや各組織の細胞膜などの、膜組織に多く使われます。

このため脂質が不足すると、血管が弱くなったり、皮膚のトラブルが多くなってきます。

脂質というと、肥満やメタボを連想しますが、体にはなくてはならない栄養素です。(脂質で問題になるのは、必要以上に多く摂りすぎることです。)

*この2つの働きをスムーズに行うには、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB群)、パントテン酸(ビタミンB群)も、十分な量が必要になります。

種類

脂質は「脂肪酸」という物質に、他の物質が結びついたもので、通常、脂質を区別するときは、この脂肪酸の違いによって、次のように分類されています。
(あまり聞きなれない名称で、ややっこしいのですが・・・。)

飽和脂肪酸

肉類や乳製品、バター、カカオ油などに含まれる脂質で、体内でも合成されます。食べ物から摂りすぎると、血液中のコレステロールや、中性脂肪が多くなります。

不飽和脂肪酸

1)一価不飽和脂肪酸

ナタネ油やオリーブ油などに含まれる、オレイン酸と呼ばれる脂質で、体内でも合成されます。血液中のコレステロールを、低下させる働きがあります。

2)多価不飽和脂肪酸

この脂質は体内で合成されないので、必須脂肪酸と呼ばれ、食べ物から摂る必要があります。
また、脂肪酸の構造によって「n-6系」と「n-3系」の2つに分けられています。

「n-6系」は、ひまわり油、大豆油、サフラワー油、月見草オイル、母乳、レバー、卵白などに含まれています。

適量であれば、血液中のコレステロールを下げる働きがありますが、摂りすぎると動脈硬化やアレルギー、血栓などが起こることがあります。

「n-3系」は、シソ油やエゴマ油の他に、サバ、マグロ、ハマチ、ウナギなどの魚油に含まれます。

血液中の善玉コレステロールを増やし、中性脂肪を減らす働きがありますが、摂りすぎると血管から出血する場合があります。






◇栄養素の基礎知識 コンテンツ一覧
三大栄養素とは   ・五大栄養素とは   ・たんぱく質|栄養素
たんぱく質の消化と代謝   ・たんぱく質が多い食品と摂り方
糖質(炭水化物)|栄養素   ・糖質の消化と代謝   ・糖質が多い食品と摂り方
・脂質|栄養素   ・脂質が多い食品と摂り方   ・ミネラル|栄養素
食物繊維|栄養素   ・食物繊維の種類   ・食物繊維が多い食品と摂り方