葉酸の欠乏・不足

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欠乏症

葉酸不足して起こる欠乏症は、悪性貧血、胎児や乳児の発育障害、口内炎などがあります。

悪性貧血

私達は生きていくために、空気中の酸素を肺から取り入れていますが、肺で取り入れた酸素を、体内の隅々に供給するのは、血液中の赤血球が行っています。

この赤血球は、約4カ月ほどの寿命があり、毎日約コップ1/4(40〜50ml)ほどが新しく作られ、寿命が尽きた赤血球と入れ替わっています。

貧血は主に、鉄分不足によることが多いのですが、葉酸とビタミンB12が不足すると、鉄分不足による貧血とは違う、悪性貧血の原因になります。

悪性貧血は、赤血球が巨大な大きさになってしまい、酸素を運ぶ能力がほとんどなくなります。

このため、体内が酸欠状態になり、立ちくらみ、動悸、息切れ、頭痛、集中力が続かないなどの欠乏症がでてきます。

発育障害

葉酸は、私達の身体を構成している1つ1つの細胞が分裂したり、成熟するときに重要な働きをしています。

具体的には、細胞の遺伝子情報である、DNA=遺伝子を構成する「核酸」という物質を合成するときに、葉酸が必要になります。

細胞が分裂、増殖して再生するときは、DNAの情報を元に行われるので、もし、このDNAの合成が不十分だと、正常な細胞も再生されなくなるのです。

人間の成長の過程では、お腹にいる胎児のときや、乳児のときが一番活発に細胞が増えています。

このとき、葉酸が不足すると発育が不十分になったり、脳神経に異常がでてくるリスクが大きくなります。

また、胎児の場合、受精後1〜2週間の初期の段階で、主な中枢神経ができてしまいます。

わかりやすくいうと、妊娠に気付いてから葉酸が不足しないようにしても、手遅れなわけです。

もし、これから妊娠を予定している場合や、妊娠を計画している場合は、妊娠前から早めに葉酸が不足しないように、食事のメニューやサプリメントで、補給しておくのがよい方法です。

なお、ピルを服用しているときは、腸で葉酸の吸収が悪くなることも、覚えておきましょう。

口内炎などの粘膜の病気

葉酸は、DNAの合成とともに、たんぱく質の合成にも関わっています。
たんぱく質は、身体を作る材料になるもので、葉酸が不足すると、それだけ細胞が新しく作られるときに、悪影響がでてきます。

特に細胞の入れ替わりが激しい胃、腸、口、舌などの粘膜では影響が大きくなります。

このため、胃や腸に潰瘍(かいよう)ができたり、口の中に口内炎ができたりします。






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