葉酸の働き・作用

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主な働きと作用

葉酸は、ビタミンB群の仲間で、身体の細胞が作られるときに、なくてはならない栄養素です。葉酸の主な働きには、貧血防止や胎児の成長を助けるなど、以下のものがあります。

貧血の予防

葉酸は、赤血球が巨大になってしまう悪性貧血(巨赤芽性貧血)を、予防する働きがあります。

一般的な貧血は、ほとんどが鉄分の不足によるものですが、悪性貧血の場合は、葉酸とビタミンB12が不足したときに起ります。

鉄分は、赤血球の材料となる栄養素ですが、鉄分だけでは正常な働きをする赤血球はできません。

これに、葉酸とビタミンB12が加わってはじめて、1人前の赤血球ができ、酸素を身体中に供給できるようになります。
*ビタミンB12については、ビタミンB12の働き・作用をご覧ください。

細胞の再生を助ける

私達の身体の細胞は、遺伝子の情報をもつDNAを元に、常に再生されています。

よく、遺伝子の異常によって、がんになったり奇形児が生まれるといわれていますが、これは、DNAの配列がおかしくなり、正しい遺伝情報から、細胞が再生されなくなったことが原因です。

葉酸は、このDNAの成分である「核酸」が作られるときに働き、細胞の再生を助けています。

このため、細胞の再生が活発な粘膜や、お母さんのお腹にいる胎児には、欠かすことのできない栄養素になります。

例えば、口、胃、腸などの器官では、食べ物の消化によって粘膜がかなり消耗するので、短期間で新しい粘膜を再生する必要があります。

また、胎児の場合も、これと同じように、細胞分裂が活発に行われるため、葉酸の働きは非常に重要になってきます。

心臓病や動脈硬化の予防

ある特定のアミノ酸(ホモシステイン)が血液中に増えると、心臓病や動脈硬化になることが知られています。

心臓病の場合、葉酸は、ビタミンB12と力を合わせて、このホモシステインを別のアミノ酸に変えて、心臓病になるリスクを減らす働きがあります。

また、動脈硬化の場合は、葉酸、ビタミンB6、B12が協力して、同じようにホモシステインを他のアミノ酸に変え、動脈硬化になるのを抑えています。

肺がんの予防

アメリカの研究では、葉酸とビタミンB12を多く摂取すると、肺がんになる確率が、下がるという報告がされています。

葉酸とビタミンB12は、どちらも水溶性ビタミンで、大量摂取による過剰症もないため、安心して摂取できます。

また、葉酸は、植物性食品に多く、ビタミンB12は動物性食品に多いため、食事のバランスの面からも良いといえます。

*このように、葉酸は、単独での働きとは別に、同じ仲間であるビタミンB群と一緒に働いて、健康な身体を維持しています。






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