ビタミンKの働き・作用

ビタミン|栄養素116 ビタミンK > 働き・作用

主な働きと作用

ビタミンKは、出血した血液を固める働きと、骨にカルシウムを沈着させる働きがあります。

出血を止める

私達の身体には、すりむいたり切り傷ができても、しばらくすると自然に血が止まる働きがあります。

もしこの働きがなかったら、生命の危険にさらされることは、簡単に想像できますね。

血液が固まる仕組みは、血液中の血漿(けっしょう)に含まれている物質が、空気中の酸素と結びついて固まり、かさぶたになります。

このとき、血液を固めるために働く「プロトロンビン」という物質を作るときに、必要になるのがビタミンKです。

ビタミンKが不足すると、当然のことながらプロトロンビンも不足して、出血してもなかなか血が止まらなくなります。

また、血を止めることとは反対に、出血していないとき、血液はスムーズに血管の中を、流れていなければなりません。このとき、ビタミンKは血液が固まるのを防ぐ働きをしています。

つまり、ビタミンKは、血液を凝固させる働きとその逆に、血液を凝固させない働きを、状況に応じて上手に使い分けているのです。

大人の場合、ビタミンKは腸内でも作られるため、あまり不足することはありませんが、新生児や乳児は、腸内の働きが未熟なため、必ずビタミンKを補う必要があります。

不足すると、消化器官の出血や頭の中で内出血が、おこる場合があります。

骨を丈夫にする

ビタミンKは、骨にカルシウムを沈着させ、丈夫な骨を作る働きもあります。骨は、コラーゲンにカルシウムやマグネシウム、リンなどが、沈着することによってできています。

このときビタミンKは、コラーゲンとカルシウムを結び付ける働きをし、骨からカルシウムが溶け出すのを防いでいます。

このため、最近では骨粗しょう症の患者に、ビタミンKが使用され、症状の改善に役立てられています。

骨に関しては、ビタミンDも働きがありますが、ビタミンDの場合は、体内のカルシウム濃度を、一定に保つ働きがあります。

具体的には、体内のカルシウムが不足すると、骨のカルシウムを溶かし、血液中に送り出したり、あるいは、尿の中に残っているカルシウムを、再吸収して不足分を補っています。

なお、ビタミンDは骨のカルシウムを溶かすだけでなく、骨にカルシウムを運び、沈着させる働きもあります。






◇ビタミンK コンテンツ一覧
・ビタミンKの働き・作用  ・ビタミンKが多い食品・食材  ・ビタミンKの1日の摂取量
ビタミンKの欠乏・不足  ・ワーファリンとビタミンK