コリン

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コリンとは

コリンは、体内でアミノ酸から作られる栄養素で、たんぱく質が多い食べ物を摂っていれば、不足することはあまりありません。

以前は、動物がコリン不足になると、脂肪肝になることから、ビタミンとみなされていましたが、人間の場合は欠乏症がないので、現在はビタミン様作用物質となっています。

*脂肪肝とは
肝臓の肝細胞に中性脂肪が貯まり、肝臓全体が白っぽくなる病気です。脂肪が多くなることで、肝臓の血管が圧迫され、血液の循環が悪くなります。そのため、肝臓の機能が低下して、疲労感やだるさが起こってきます。

働き、作用

コリンには主に、次のような2つの働きがあります。

1)動脈硬化、肝硬変の予防

コリンは体内で合成される、レシチン、アセチルコリンの材料になっています。

レシチンは、細胞膜を作り、血管の内壁や肝臓にコレステロールや脂肪が、貯まるのを防ぎます。 またアセチルコリンは、血管を拡げて血圧を下げる働きがある、神経伝達物質です。

つまり、コリンが不足すると、レシチンとアセチルコリンの両方が不足して、動脈硬化や肝硬変になるリスクが高くなるわけです。

2)アルツハイマー症、認知症の改善

コリンは、神経細胞の成分でもあり、記憶力や脳の様々な機能を、維持するためにも必要な栄養素です。

ある調査では、アルツハイマー症の患者の多くは、コリンが不足しているというデータがあり、コリンを十分摂取すると、症状が改善したという報告もあります。

アルツハイマー症や認知症の原因は、まだはっきり解明されていませんが、今後、コリンを使った治療薬も期待されています。

多い食品、食材

1)肉類・・・牛レバー、豚レバー
2)その他・・・卵、ささげ、大豆、エンドウ豆、緑黄色野菜、小麦胚芽など

コリンは、アミノ酸から合成されるので、たんぱく質が多い食品を摂るとよいでしょう。ただし、肉類はカロリーやコレステロールが多いので、豆類や緑黄色野菜をバランス良く摂リたいものです。

なおコリンは、余分に摂取しても、体外に排出されるので、過剰症の心配はありません。






◇ビタミン様作用物質 コンテンツ一覧
ビタミン様作用物質とは  ・ビタミンP  ・ビタミンQ  ・ビタミンU  ・コリン
イノシトール  ・ルチン  ・パラアミノ安息香酸  ・ビタミンB13、B15、Bt