ビタミンAの働き・作用

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主な働きと作用

ビタミンAは、眼や肌の機能を保つ働きの他、最近ではがんを予防する作用も注目されています。

眼の機能を保つ

私達が物を見るときは、眼から入った光を網膜で感じ、その刺激を脳に伝えることによって、何を見ているのかがわかります。

このとき、網膜で光を感じる物質を「ロドプシン」と呼んでいますが、このロドプシンを作るときに、必要になるのがビタミンAです。

もし、ビタミンAが欠乏してロドプシンが不足してくると、夕方から夜の暗がりでは、物がよく見えない夜盲症になる恐れがあります。

お肌の機能を保つ

ビタミンAは、身体の粘膜や皮膚を健康的に保つ、働きがあります。特に、粘膜や皮膚の上皮細胞の代謝を活発にして、病原菌などが侵入するのを防ぐ、免疫機能の作用をしています。

上皮細胞とは、皮膚をはじめ口、のど、鼻、胃、腸などの粘膜の表面にある細胞のことで、身体の外と直接触れている部分です。

ビタミンAを食事やサプリメントから、しっかり摂っている場合は、肌のハリやツヤもよく、ウィルスや細菌を跳ね返す抵抗力があります。

しかし、ビタミンAが欠乏してくると、肌の荒れやかさつきが気になるだけでなく、風邪をひきやすくなったり、口内炎などをおこす可能性が高くなります。

がんを抑止する

ビタミンAが、がんを抑制、予防する働きがあることは、今までの多くの実験から確認されています。

ある調査では、ビタミンAが欠乏している人は、ビタミンAを十分摂取している人に比べ、5〜7倍の確率で肺がんになっているという、報告がでています。

ただし、ビタミンA(レチノール)を大量に摂取すると、めまいや吐き気、頭痛などの過剰症がでてくるため、一度に大量に摂るわけにはいきません。

そこで、ビタミンA(レチノール)に代わって注目されているのが、植物性ビタミンAであるβカロテンです。

(栄養素の面から見ると、ビタミンAには、動物の肉などに含まれるレチノールと、植物に多く含まれるβカロテンに分けることができます。)

βカロテンは、レチノールと違って、大量に摂取しても過剰症がほとんどないので、がんの抑制によく利用されています。

また、がんの抑制だけでなく、高い抗酸化作用があり、活性酸素による細胞へのダメージ抑制や、老化防止の作用も、確かめられています。






◇ビタミンA コンテンツ一覧
ビタミンAとは  ・ビタミンAの働き・作用  ・ビタミンAが多い食品・食材
ビタミンAの1日の摂取量  ・ビタミンAの欠乏・不足  ・ビタミンAの過剰摂取
ビタミンAと妊婦1  ・ビタミンAと妊婦2  ・ビタミンAの単位