ビタミンAの過剰摂取

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過剰症

ビタミンA過剰摂取では、緑黄色野菜に含まれているβカロテンと、動物のレバーなどに含まれるレチノールの、2つに分けて考える必要があります。

βカロテンの過剰摂取

ビタミンAの1つであるβカロテンは、消化吸収されるときにβカロテンから、ビタミンAに変化します。

βカロテンは、必要な分だけがビタミンAとして吸収され、余分な分は身体の外に、排出される仕組みになっています。

また、βカロテンの性質上、吸収率やビタミンAへの変換率が低いため、大量に食べた場合でも、過剰摂取になることはありません。

ビタミンAの1日の摂取量の上限は、3000μg(マイクログラム)REですが、たとえβカロテンを、この10倍以上摂取しても、身体に異常がでてくることは、ほとんどありません。
(手のひらや足の裏が、黄色くなる程度です。)

βカロテンは、レチノールに比べ、はるかに安全なビタミンAといえます。

レチノール

レチノールは、鶏レバー、豚レバー、あんこうの肝、うなぎの蒲焼きなどの、動物性食品に多く含まれているビタミンAです。

このレチノールは、身体への吸収率が高いのが特徴で、βカロテンのように、変換されることもありません。

ちなみに、厚生労働省から公表されている、レチノールの1日あたりの摂取量の上限は、3000μgREになっています。

吸収されたレチノールのほとんどは、肝臓に運ばれ貯えられます。このため、レチノールを多く含む動物性食品を、大量に食べるとそれに比例して身体に貯えられ、ビタミンAの過剰症が現れてきます。

具体的な過剰摂取の症状としては、
 ・主に後頭部の激しい痛み
 ・手足の痛み
 ・めまい、吐き気、嘔吐、下痢
 ・食欲不振、けんたい感、肌荒れ、睡眠障害
 ・脱毛
などがあります。

また、妊娠した女性が、レチノールを過剰摂取すると、生まれてくる赤ちゃんが奇形になる危険性が多く、注意が必要です。
(ただしβカロテンは、この危険性はほとんどありません。)

*具体的な摂取量や、妊娠したときのビタミンAに関しては、ビタミンAの1日の摂取量ビタミンAと妊婦1をご覧ください。





◇ビタミンA コンテンツ一覧
ビタミンAとは  ・ビタミンAの働き・作用  ・ビタミンAが多い食品・食材
ビタミンAの1日の摂取量  ・ビタミンAの欠乏・不足  ・ビタミンAの過剰摂取
ビタミンAと妊婦1  ・ビタミンAと妊婦2  ・ビタミンAの単位