ビタミンAの単位

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いろいろな単位がある

ビタミンの量を表す単位は、ほとんどのビタミンでμg(マイクログラム)や、mg(ミリグラム)で統一されています。

しかし、ビタミンAの場合は、μg以外にも「μgRE」や「IU」といった単位が使われていることがあり、簡単に比較できなくなっています。

同じビタミンAを表すのに、なぜ違った単位があるのか、疑問を持つところですね。そこで、μgとIUについて、取り上げました。

μgRE(マイクログラムRE)

ビタミンAは、大きく分けて動物性食品に多く含まれるレチノールと、植物性食品に多く含まれるβカロテンがあります。

この2つを身体への吸収率で比べてみると、レチノールは約90%、βカロテンは約10〜60%で、吸収率に大きな差があります。
(*βカロテンは、食品の調理方法によって、吸収率がかなり違ってきます。)

このため、この2つの違いを調整して、わかりやすくビタミンAの量を表す単位として使われているのが、μgREなのです。

βカロテンは、小腸から吸収されるときに、ビタミンAに変換されて、初めてその働きをします。

一般的に、緑黄色野菜を食べて、それに含まれるβカロテンが吸収されるのは、含有量の1/6ほどです。また、βカロテンは、ビタミンAに変換されるときもロスがあり、約1/2ほどしか変換されません。

つまり、食品に含まれているβカロテンは、1/6×1/2=1/12しか、ビタミンAとして利用できないわけです。
実際に、食事で摂取できるβカロテン(ビタミンA)の量を、レチノールと比べると、

レチノール1に対してβカロテン12
      ▼
1μgのレチノール=12μgのβカロテン

となり、表記上は
1μgRE=1μgレチノール=12μgβカロテン
となります。
(REはレチノール当量と呼ばれています。)

IU(アイユー)

IUは、ビタミンAの量を表す国際単位で、International Unitの頭文字をとった略語です。

以前は、食品に含まれるビタミンAを、正確に測ることができなかったため、μgで表記していませんでした。

このため、ビタミンAの量を表記するかわりに、ビタミンAとして効果がどのくらいあるのかを、数値化した単位としてIUが使われていました。

ビタミンAの場合、1IU=レチノール0.33μgと決められています。

しかし近年、測定技術が発達して、他のビタミンと同じようにμgで表記されるようになったのです。

古い食品成分表や文献には、ビタミンAの単位として、IUが使われていましたが、最近は、あまり使用されることはありません。

単位一覧

参考までに、ビタミンAで使用されている単位を、わかりやすく表にしました。ビタミンAの場合は、かなり微量なので、実際に使われる単位は、μg、μgRE、IUの3つです。

・1mg(ミリグラム) 1g の千分の1
   ▼
1g =1000mg
・1μg(マイクログラム) 1g の百万分の1、1mg の千分の1
   ▼
1g =1000000μg、1mg =1000μg
・1μg RE(マイクログラムRE) 1μg RE=1μgレチノール=12μgβカロテン
・1IU(アイユー) 1IU=0.33μg RE=0.33μg レチノール





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ビタミンAの1日の摂取量  ・ビタミンAの欠乏・不足  ・ビタミンAの過剰摂取
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