たんぱく質の消化と代謝

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消化について

食べ物から摂取したたんぱく質は、胃を通って小腸に達するまでに消化酵素によって、アミノ酸に分解されます。

これは、たんぱく質のままだと分子構造が大きすぎて、小腸で吸収できないからです。

また、体の材料となるたんぱく質は、食べ物から摂ったたんぱく質とは違うため、一度アミノ酸に分解して、改めて体の各組織に適したたんぱく質に、作り直す必要があります。

わかりやすくいうと、たんぱく質を作るパーツ(アミノ酸)を血液で運んで、届け先で必要なたんぱく質を、新しく作るようになっています。
(このとき活躍するのが、ビタミンや酵素です。)

私達の体に必要な、たんぱく質は20種類のアミノ酸を、様々に組み合わせることによって作られています。

この20種類のアミノ酸の内、11種類は体内でも合成することが出来るので、「非必須アミノ酸」とか「可欠アミノ酸」と呼ばれています。

しかし、残りの9種類は体内で合成することが出来ず、食べ物から摂るしかないので、「必須アミノ酸」と呼ばれています。

9種類のアミノ酸は以下のものがあり、各アミノ酸によってそれぞれ働きに違いがあります。

1.イソロイシン 2.ロイシン 3.リジン 4.メチオニン 5.フェニルアラニン
6.スレオニン 7.トリプトファン 8.バリン 9.ヒスチジン

代謝について

アミノ酸(たんぱく質)は、体の材料となる三大栄養素の1つですが、体を作るときは食べ物で摂ったアミノ酸(たんぱく質)だけでなく、体内で合成されるアミノ酸もあります。

体を維持するためには、毎日一定量のたんぱく質を分解して、分解したのと同じ量を、新しく合成する必要があります。

通常、この合成量の約2/3は、体内で分解されたアミノ酸(たんぱく質)を再利用し、あとの約1/3は食事から摂ります。

ごく一般的な、日本人の場合(体重60g)では、1日あたり約210gの老化した、たんぱく質が分解され、このときできるアミノ酸を再利用して、約140gのたんぱく質が、再生されます。

と同時に、食べ物から約70gのアミノ酸が吸収され、それが体の一部になります。つまり、体内のたんぱく質は1日で、約210g新しく入れ替わることになります。

このように、常にたんぱく質を新しくしないと、健康な体は維持できないのです。そして、たんぱく質の代謝には、ビタミン(特にビタミンB6)が欠かせません。

ちなみに、成人が1日に必要な、たんぱく質の量は、
  体重×1.1〜1.2g
で、体重60kgの人の場合で、66g〜72gになります。






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